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同社の調査によると、平置倉庫では一つの商品を探し出す時間が30秒、必要商品を取り出すために前のパレットを移動させるのに5分、必要数量に小分けする荷造りに10秒、片づけに2分、荷積みに15秒かかっていて、一つの商品を出荷するのに合計で7分55秒かかっていた。 3人で、1日フルタイムで作業を行なっていたとしても、180アイテムの出荷が限界となっていたのである。
競合他社の倉庫は商品を引取りするために30分位出荷時間がかかるのに対し、同社では5分以内の出荷を行ない「お客様を待たせない倉庫」として、一番初めにお客様から発注して頂ける仕入先になることを目標にしている。 2t車を1カ月傭車すると月約60万円かかると言われており、1カ月22日計算とすると1時間当たり3,409円の費用がかかっていることになる。
このため30分間待たされるとすると、引取1件当り1,705円の費用の無駄遣いが生じていることになる。 競合他社に差をつけるためには、お客様を待たせないサービスが、いかに重要なテーマかがわかる。
ワンストップ・サービス倉庫として1カ所で用が足りる倉庫にし、お客様の引取時間の無駄を省くことに役立ててもらう。 適正在庫管理を行ない、アート紙から上質紙まで、銘柄を問わなければ一通りのランクの紙が同社1カ所で揃う品揃えを行なうこと、常備在庫品は品切れをなくすことで信頼を得ること、また、売れ筋商品の品揃えは、お客様が他の倉庫へ回る時間の節約に役立ててもらうことを目的に、ワンストップ・サービス倉庫の実現を目指している。
お客様のトラックが他の倉庫を回っている間に、断裁加工仕上げの手伝いを行なっている。 お客様のトラックの動きは、午前中に商品の引取をし、自社に持ち帰り断裁加工し、午後から印刷所への納入をしているのが一般的である。
この自社に持ち帰り断裁するための横持ち運搬時間のロスを、同社でサポートできないだろうか。 商品の引取にトラックが回っている間に断裁加工を行なえないだろうか。
このような発想で、断裁加工システムを構築してきた。 きないだろうか。

このコスト削減計画の主軸として平置倉庫を立体自動ラックに転換きせ、作業工程を改善してきている。 ここでは、平置倉庫から立体自動ラックに転換した状況と導入後の実態を〔現状比較分析〕と〔導入後の作業システム〕に分けて説明していく。
平置倉庫では入荷収納するのに保管場所スペース作り作業が必要となり、自動ラックより3分30秒多くかかる。 出荷時のピッキングでは、平置倉庫の場合、商品探しの時間や、必要商品を取り出すために前後の荷物を動かす手間と時間、前後の荷物を片づける手間と時間などがかかる。
立体自動ラックを導入し、手作業を自動化し手間を排除することにより、入荷は3分30秒(平置作業時間の△58%)、出荷は6分(平置作業時間の△80%)作業時間の短縮ができることがわかる。 平置倉庫は在庫容量が多いという強みはあるが、時間的な面や手間ロス発生面では弱みとなる。
一方、立体自動ラック倉庫は在庫容量が少ないという弱みはあるが、強みとしては、出荷時間・商品探し・棚卸・走行時間など、時間が短くて済むことが挙げられる。 手間ロス発生面では、先入れ先出し作業の手間はかからず、荷傷などのロスの発生が少ない点などの利点がある。
少ないロット出荷は、平置倉庫では手間がかかるので作業員の都合で後回しになりがちになる。 立体自動ラックでは大量ロットも少量ロットも出荷スピードは一定で出荷順序も決まっているため、作業効率はアップする。
以上のように、強みと弱みを検討していった結果、立体自動ラックの設備投資に踏み切った。 立体自動ラック導入後の作業システムを、お客様へのサービス面と、作業効率面の両面から検討する。
受注から倉庫への出荷指図をオンラインで行なうことにより、間違いや、時間的ロスをなくすことができる。 また、ピッキングについては自動ラックのどの番地(ロケーション)から出荷すれば良いか伝票に指示してあり、連続作業を行なうことができ、作業効率のアップにつながっている。
1997年に補充発注システムの導入を行なった。 品目別の在庫量設定にあたっては、アイテムごとに過去3年間の出荷数量を月別に出して検討に入った。

その過去3年間の出荷数量の多い順に商品群をABCランクに分類した。 Aランク商品群は、出荷数量が上位70%〜80%の商品であり、品目数は全体の20%位を占める売れ筋商品群である。
Bランク商品群は、出荷数量がAランクに続く約20%で、品目数は全体の20%位で構成される売れ筋商品予備軍である。 Cランク商品群はその他の商品で、死に筋商品を含んだ未成長商品群である。
このうちABランク商品については、常備在庫品として別扱いで管理を進めた。 補充発注システムについては2−フの進め方に従い、各アイテム別に4カ月ごとの出荷数量の平均値を出し、1〜4月の年度末需要期、5〜8月の不需要期、9〜12月の最盛期に分け、アイテムごとの適正在庫数量を決めていった。
適正在庫数量を最終決定するためには、発注から入庫までのリードタイムを季節要因別出荷平均数量に掛け合わせ、さらにメーカーや代理店の在庫比率や、需要予測を調整係数として掛け合わせ、発注点数量をアイテムごとに設定していった。 の方が作業の移動距離が曲線的で長く、同じ所を行ったり来たりした無駄な動きが多いことにきづく。
1994年にお客様への時間提供サービスとして、断裁加工システムを導入した。 立体自動倉庫では、入出荷場所やストックエリアが決まっているため、一定の方向で動き、走行距離は直線的で短く、無駄な動きも少ないことがわかる。
棚卸については、出荷した後の残高数量が伝票に打ち出されているため、出荷した段階でその都度棚卸ができ、平置倉庫の時に行なってきた月末での一括棚卸は必要なくなってきた。 平置倉庫で先入れ先出しを行なうと、そのつど荷物を動かすことになり、荷傷発生の危険度が高くなる。
立体自動ラック利用のロケーション管理による出荷だと、常に古い順に出荷させることにより、デッドストックを作らず、荷傷の発生を防止してロス率の低下が実現できた。 1992年はバブル景気も終息期に入りつつある頃ではあったが、倉庫料の高騰、在庫スペースの不足、熟練作業員の不足などにより、日常の物流業務に支障をきたしていた。

当時は地価の上昇も激しく、紙を置くよりは他の商品を置いた方が高収益で、営業倉庫業者は倉庫料の値上げを一斉に申し入れてきた。 このため紙の在庫は都内の好立地には置きづらくなり、やむなく地方に移転を求められるケースもあった。
このような経済環境がいつまで続くかわからない中ではあったが、月々200〜300万円の倉庫料を払い続けることと、立体自動ラックに思い切って投資するのとどちらかを選択する時期がやってきた。 立体自動ラックに約1億円の投資をすると、20年返済で月約55万円となる。
この他、維持費用の電気代・保守点検費用・修理費用などがかかる。 費用の比較と投資利益率を考え合わせ、最終的に投資効果があると判断し、1991年に導入を決定した。
1994年には、自社の付加価値を高める目的と、お客様へのサービスの一環として、断裁加工を導入した。

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